小児歯科について

 

★小児歯科って何?(あくまでも個人的見解)

「小児歯科」・ほとんどの歯医者さんの看板に書いてありますよね。
漠然と“ 子供の歯の治療をしてくれる所 ”ということはわかるけど、一般の歯科治療とどこが違うのだろうか?小さいなお子さんをお持ちの方なら、ふと考えたことがあるはずです。

小児歯科とは一言で言えば小児の歯科治療をするところです。しかし単純に小児の歯の治療をしているからといって小児歯科と言うことは出来ない、と私は考えています。
なぜなら小児の歯科治療とその他の歯科治療は異なる物であると考えるからです。

幼い子供が体の不具合を訴えたとき、子供をどこに連れて行きますか?症状にもよると思いますが、まず小児科を考えるでしょう。まさか子供が熱を出したら、外科に行く人はいないでしょうね。
実際医科の現場では小児科は独立したものであり、他の科とははっきり区別されています。これは周知の事実ですよね。では歯科の場合はどうでしょう?
 
小児歯科は確かに学問としては独立しており、6年間の間に小児歯科学を学ぶことになっています。
しかし国家試験合格後、ほとんどの歯科医師は更に小児歯科を専門に学ぶことは無く、ほんの僅かな歯科医師だけが、大学卒業後小児歯科を専門に学び、小児歯科医となるのです。

当然、小児歯科医のDrは開業する際、看板および標榜に「小児歯科」と明示するはずです。
しかし歯科の場合、開業する際に看板および標榜に、国家試験に合格した歯科医師であれば「小児歯科」と表示してもいいことになっています。当然治療に制限はありません。
ですから看板に「小児歯科」とあるだけで、小児歯科医がいるとは限らないのです。

  

★当クリニックでの小児の歯科治療について

当クリニックでは小児に関しては、小児歯科専門医である副院長が治療にあたっています。
本来小児の歯科治療は、小児歯科専門医が治療をするべきなのですが、ほとんどの歯科医院では専医制をとっておりません。

そもそも小児歯科専門医とは歯科大学を卒業後、大学の小児歯科学講座で研修を積んだ者か、それに準じた治療機関で研修を積んだ者をいい、全歯師医師の1割にも満たないのです。
しかしながら、ほとんどの歯科医院の看板および標榜の診療科目には「小児歯科」と明記されています。これは専門医がいるいないにかかわらず、表示してもいいことになっているからです。

一般的に、成人の歯科治療の延長上に、小児の歯科治療があると思われがちですが、これは全くの誤解です。同じ様な症状でも全く処置が違う場合も多々あるのです。
それ故に専門医による治療が必要不可欠なのです。

最近診療科目に小児歯科と明記されている歯科医院で不適切な処置を受けている例が多く報告されています。
齲蝕(虫歯)の進行止めにフッ化ジアミン銀(商品名サフォライド。塗銀ともいう。塗った後に歯が黒くなる。齲蝕予防のフッ素とは全くの別物。)を塗布した り、小児があばれたりこわがったりするからといって、安易に笑気ガスを使って鎮静させたり、といった通常小児歯科では全く必要としない処置をするケースが 多く見受けられます。
特に小児に対しての笑気ガス(笑気麻酔)の使用は安全性に問題があるという指摘もあり麻酔科医の管理下での使用が望ましいのです。
最近海外(アメリカ)では笑気ガスによって小児が死亡した例も報告されています。

こうしたことから、当クリニックでは小児歯科は小児歯科専門医が治療をするというシステムを導入しております。
それ故、予約及び治療時間等で多少制限される場合もありますが、ご理解をお願いしております。

  

★子供の虫歯はだれのせい?

結論から言います。親のせいなのです。
そう、お母さん、お父さん、あなたのせいなのですよ。

虫歯は虫歯菌がいなければできることはありません。
産れてすぐの赤ちゃんのお口の中には虫歯菌はいません。ではその虫歯菌はどこからやって来るかというと、そうです、あなたのお口の中から移ったものなのです。
親が口に入れた物を食べさせたり、親が使ったお箸やスプーンで食べ物を与えたりすることによって、お口の中に虫歯菌が入り込んでいくのです。いわば感染症の一種と考えてもいいでしょう。
だからといって虫歯菌が入らないように過度に気を使ってもあまり意味がありませんし、不可能に
近いと思います。ではどうすればいいのでしょうか?

虫歯菌がお口の中に入り込んでもそれだけでは虫歯にはなりません。一般的に虫歯は3つの条件が
そろわなければ出来ないと言われています。その条件とは、歯・食物・虫歯菌の3つです。
ですから虫歯菌があっても他の条件を回避すれば虫歯にはならないのです。
通常きちんと歯ブラシをして食物(食べ残し)を完全に除去してしまえば虫歯にはなりません。

虫歯ができて治療に来た2、3才のお子さんのお母さんが「この子は毎日きちんと歯ブラシしているのに」などとよく言っているのですが、当然虫歯ができても何の不思議はないですね。
2、3才の子供がきちんとお口の中をくまなくきれいにできると思いますか?
だいたい成人でさえも難しいというのに。
歯磨きの習慣づけとして歯ブラシを自分でさせることは重要なことですが、お口の中をきれいにするという目的の場合は、親が磨いてあげなければ絶対無理です。

通常未就学児は親のブラッシング(後磨き)が必要です。
個人的には小学校低学年まで後磨きをしてあげたほうがいいと思います。
親子のつながりが希薄といわれる昨今、親子間のスキンシップのいい機会になりますし、何より
子供のお口の中の状態を把握できるのです。(虫歯の多い子供の親は、自分の子供のお口の中に
無関心であることが多い)

また乳児期(特に母乳を与えている場合)歯ブラシが必要ないと思っている人がいますが、これは
間違いです。母乳でも虫歯になります。
歯が生えてきたら、出来るだけ授乳後ブラッシングをしてあげてください。
この時期は子供も理解力が無いため、よく抵抗して泣きますが、泣くからといって躊躇しては
いけません。虫歯のせいで痛くて泣くのとどっちがいいでしょう?

それから歯磨きをする際泣いている子供に「ちゃんと磨かせないと歯医者さんに連れていくよ!」
と言うのは絶対にやめましょう(笑)。子供に「歯医者=恐ろしい」というイメージを与えて
しまいます。治療の妨げになりますし、連れていくのにあまり抵抗されても困ってしまうでしょ。
せいぜい「ちゃんと磨かないと歯が痛くなるよ!」とか「ムシムシ出てくるよ!」くらいにして
おきましょう。

更にもう一つ、乳児期にお水の代わりに「ポカリスエット」の様な、いわゆるイオン飲料を日常的に
与えるのもあまりお勧め出来ません。(脱水症状がある場合は別です)
一時、ポカリスエットう蝕と言って、小児歯科学会で問題になったこともあるのです。
どうしても必要な場合は、ブラッシングをするか、せめて摂取後に水を飲ませてください。